ちょっと変わった体験をして興奮冷めやらぬまあくんです。今回は管理職への昇格試験などで採用されているインバスケット試験にチャレンジする機会があったので、インバスケット試験の具体的な内容や効果的な試験対策のコツご紹介!
ちなみに今回は体験中に撮影することができなかったので、まあくんのなんでも体験記誌上初!写真一切なしの文章オンリー形式でお送りします(笑)。
インバスケット試験(アセスメント)とは
管理職の教育や選抜用のテストとして活用されているもので、架空の人物になりきり、制限時間の中でより多くの案件を高い精度で正しく処理することを目標とするバーチャル・ビジネス・ゲームの事です。
多くの大手企業で採用されています。
「インバスケット」とは部長の机の上にある『未処理箱』のことで、未処理の案件をこなしていくことからこの名前が付いたそうです。
「インバスケット試験」、「インバスケットトレーニング」、「インバスケットアセスメント」など様々な表現がある。
と、まじめに解説しても分かりにくいと思うので、まあくん流の言葉でもう少し分かりやすく表現してみます。
インバスケット試験とは、『ある企業のある役職に就任したと想定し、限られた時間に処理しきれないくらいの案件を処理させ、その回答内容や回答のプロセスを分析評価することでその人の仕事処理に関する特性や適性をみる試験』です。
こらならなんとなく内容が伝わりましたでしょうか?
まあサッカーをしたことがない方に言葉だけでサッカーを伝えようとしててもなかなか伝わらないのと同じだとおもうので、とにかく私の体験をご紹介しますね(笑)。
インバスケットアセスメント試験の体験記
それでは実際に僕が受けたインバスケットアセスメント試験の内容を包み隠さず紹介します。
いきなり封筒に入った資料が配布される
会場についてインバスケットアセスメントの概要説明があった後、いきなり書類が一杯入った封筒が渡されて、「これを2時間以内にやって下さい」っていわれました。唐突かつ「なんだこれ?」って感じの雰囲気が会場に流れてました。
試験の配布資料の中身は?
●書類1 状況説明シート
中をあけると最初に緑色の紙が一枚。
内容を読むと「あなたは今日から某メーカーのある部署の課長に任命されました。でも明日から1週間海外出張で会社と一切連絡が取れなくなります。また前任の課長が急に入院したので未処理案件がたまっていますが、あなたは今から2時間しかその案件処理をする時間がありません。」
ってな感じで昭和時代のドラマの様な状況設定が書いてあります。
●書類2 案件シート
様々な案件(問題)が21案件分入ってました。たいてい上司からの指示や部下からの相談のメールが届いているといった感じの体裁になっていて、中には添付資料が5枚くらいついているボリュームのあるものも混ざっています。
●書類3 回答用のシート
これは電話の伝言メモみたいな書式になってて、A3用紙に8個分書けるようになっているものが4枚入ってました。足りなくなったらいくらでも追加用紙をくれるそうです。
●書類4 回答様のシートの使い方説明書
回答用のシートには3種類の書き方で回答してねって内容になってました。
- 『○○殿』かくかくしかじかなので○○しといてねって内容を上司や部下にあてて書きます。
- 『保留』海外出張から帰社するまで判断を保留するものは『保留』と書いて理由も書き添えます。
- 『メモ』出張中や帰社してから検討したい内容や対応を記載しておきます。
焦りながらもとにかくインバスケットを始める
周りの「ばりばり進んでるぞ」って雰囲気を感じて、ちょっと焦りながらも、まずはすべての案件に目を通しました。
「早く読まなきゃ!」って思いと「内容をきちんと理解しなきゃ!」って思いでちょっとパニック気味になりつつも読み進んだわけですが、なかなか内容が把握できない!
よく考えたらそりゃそうです。
自分の会社ならまだしも、事業内容や部署構成とかも全然知らない会社にいきなり飛び込んで、顏も見たことがない上司や部下の名前が一杯でてきて、しまいには聞いたこともない関連企業の名前なんかもいっぱいでてくるわけです。
私は人やお店の名前を覚えるのがとっても苦手なので余計に苦しみました。
なんとか21案件を読み終えた時にはすでに30分くらいたってました。
関連性のあるものをまとめた
21の案件はそれぞれ関連例があるものが混ざっていることが分かったので、関連すると思うものをまとめていきました。
大体6種類くらいに分類できたと思います。
- 自社製品の部品に違法性があることが判明
- 協力会社からの納品が間に合わないぞって問題
- 自分の課の人員構成改造指令
- 不正疑惑ややる気のない部下等についての告発文
- 組織や体制への不平不満または改善提案
- その他
面白いことに、どの案件も自分が帰社する前の日時が締切になっています(笑)。
まあシュミレーションとはわかっていますが、それにしても不自然すぎる状況設定の中で冷静かつ客観的な判断が求められるので対応する側はほんとに大変です。
普通だったら海外出張があるのは分かってるんだから、帰社してからその役職に就任させるとか代役をたてるとかするのが部長の采配力だと思うんですが、中間管理職はどこも大変だな~なんて思いつつ、とにかく作業を進めます。
重要なものからどんどん処理
『至急』とかいた案件もたくさんあったのですが、会社の事業や経営に影響のない小さな案件だったので「
こんなことに騙されてなるものか」
と思いながら『重要』な案件かどうかを判断して優先順位をつけて並べました。
- 重要で緊急
- 重要だけど緊急でない
- それ以外
という順番です。
インバスケットの問題は回答が書きにくい!
さあいよいよ解答用紙を使って上司や部下に連絡事項を書いていきます。
回答を描き始めたのですがなんかいつもと違って書きにくい!
よく考えたら普段パソコン使うのが当たり前になってるので字を書くことがほとんどないんですよね。
漢字は出てこないし、手は思うように動かないしで、もどかしいったらありゃしない。
人間焦るとほんとに何もできなくなりますね。
私の場合は机と紙の材質のせいかボールペンが滑って普段の様に字が書けなくてイライラしまくりました。
それから解答用紙には案件番号を書くのですがそれが大きく書くようなフォーマットになっていたために、つられて回答内容まで大きな字で書いてしまったので余計に書きにくくて時間がかかっちゃいました。
いつもより大きな文字を書くって結構ストレスかかるし時間もかかるんですね。いままで意識したことなかったな~。
時間があるかもしれないと思いはじめる
重要で緊急なものの回答を書き終えて時間を確認すると1時間以上時間が残ってました。
あとは落ち着いて順番にやればいいと思ってちょっと心が落ち着きを取り戻します。
机に広がった書類をちょっと整理して再度処理に取り掛かりました。
判断がつかない問題に手間取る
余裕をもって回答を進めていくわけですが、人事問題の件で手がとまりました。
時間がないとわかってはいるので普通の試験だったら後回しにするところですが、「どうでもいい案件より重要な案件から処理しなければ」という思いがあって次の案件に進めません。
その問題は絶対的な締切があるにも関わらず判断できる材料もなく、判断すべき内容ではないと感じたためにとってもこまりました。
時間が足りなくなって焦りだす
結局このままじゃいけないと思って後回しにすることを決心。
ほかの案件を数件こなして時間をみるとあと30分ほどしかありませんでした。
ぐはっ!人事問題に時間かけすぎた!このままでは無残な結果になってしまいます。なんとかしなければ!!
早く回答を書くためにシャーペンに切り替える
ここでなにかスイッチが入りました。何かが吹っ切れたって感じです。体面や体裁を気にしてる場合じゃない。
とにかく全部やり終えなければ!滑って書きにくかったボールペンからシャーペンに切り替え、回答も必要最低限のことをひらがな交じりでもいいからとにかく書こうと決めました。
簡単な案件を素早く処理
ここからは短文の走り書き大会です。いままで書いていた「このたび配属されました○○です。」「お疲れ様です。」や「よろしくお願いいたします。」「多忙の折に申し訳ないけど、頼りにしてますのでお願いします。」みたいな気配り文はすべてカットし、「○○しておいてください。」「帰社してから検討します。」「ありがとう。今度打ち合わせしましょう。」みたいな感じで読めるか読めないかくらいの文字で回答を描きまくりました。
あっという間にタイムリミット
というわけでこの非日常というかありえない状況が2時間。ほんとにあっという間の出来事の様に感じましたが、焦ったり必死に書いたりととってもたくさん頭を使ったので、気づくとほんとにへとへとになってました。
無我夢中っていうのはこういう状況のことを言うんでしょうね。こんな気持ちになったのは学生時代の試験の時以来です。
たまにはこういうのもいいもんですね。
インバスケット試験を振り返ってみると
慣れない環境で時間に追われながら案件処理をした直後で興奮冷めやらぬ状態だったので、ランチタイムの受講生の間でいろんな話がでてきて大盛り上がり。
見直しをしてないとか、回答のスタイルが違うとか、様々な話が飛び交いました。
そんななか私が気付いたのが、『保留』や『メモ』をまったく使っていなかったこと。
そうです。
全案件に目を通して重要なものに指示をだしたのですが、帰社後に対応してもいいものはほったらかしにしたままにしてました。
放置するものについては『保留』と書いておかなければいけないのにやってません。これが21案件中5案件。
『保留』と2文字書くだけでよかったのにもったいないことしました~!
試験って問題の答えがわかるかどうかよりも「回答形式を間違えて大被害」ってことがよくあるんですよね~。
昔からおっちょこちょいな私はばっちりはまってしまいました。
ま、いい経験をしました。問題はよく読みましょう(笑)
インバスケット試験を受けて分かった解答のコツ
ランチタイムの会話の中で「あと少し時間があったら」とか「問題をよくよんでおいたら」とか「時間配分をちょっと考えとけば」とか『あと少し頑張ればってれば』って感想がめちゃくちゃ多かったです。
それから『もう一回やったら次は全部できると思う』って方も多かったので、要は『慣れない形式に戸惑って実力が発揮できなかった』という方が多かった様です。
私も同じようなもどかしい思いをしたので、これからインバスケットアセスメントにチャレンジされる方が悔いの残らない対応ができるように!ということで私なりの注意ポイントをまとめてみました。
①最初にすべての案件に目を通す
案件には重要なものやそうでないものがあったり、意外と関連性があるものが多いので、一度すべてに目を通してから対応すると取り組みやすいです。
1案件づつ最初から回答していった人はあとから後悔している方が多かったです。
②組織表や人員構成表にメモを入れながら対応
資料には会社の組織表や人員構成表、関連会社の情報などの一覧がついていました。
知らない部署名や部下の名前、協力会社名がでてくるので、表にメモをいれながらやると全体を把握しやすかったです。
それから打ち合わせや会議のアポ、締切など、スケジュール表に記入しながら進めるとダブルブッキングや締切忘れを防ぐことができます。
③関連する案件ごとに分類
結構関連する案件が多かったので、関連する案件ごとに分類すると処理すべき問題の項目が少なくなって回答しやすくなります。
④重要なものから処理
『至急』って文字に騙されやすいんですけど、締切直前で急ぎだけど、急がなくても特に問題がなかったり、問題があっても小さい問題だったりするので、『重要かどうか』を大事にして優先順位を決めましょう。
⑤対応内容をとにかく素早く書く
対応の内容を書くときには意外と時間がかかります。
日頃パソコンに慣れてると漢字が思いつかなかったり書きにくかったりするので、いつも使っている使いやすい筆記用具で事前に早書きを試しておくとよいと思います。
私は早書きの練習をしとけよといわれていたのですが、書きやすい筆記用具の準備だけしかしてなかったので結構苦労しました。
時間に追われて焦って日頃できることができなくなるっていうのはすっごくストレスかかるのでここはほんとに注意です。
⑥やばいとおもったら「保留」と書く
判断に迷う問題は必ずあると思うので、1分考えて判断がつかなかったらとにかく「保留」と書いちゃいましょう。
他の案件を処理してから戻ってじっくり書き直せばいいんです。
ちなみに「保留」と書かないで後回しにすると後でわからなくなって「未回答」となってしまうので、とにかく書くことが重要です!
⑦参考書のテクニックにとらわれない
参考書を読むと、仕事の指示をだすときは部下の状況を把握して思いやりの言葉をつける、とか指示だけでなく目的も書く、とか一つの対応がダメだった時のリカバリー案もつけておく、とかいろんなテクニックが書いてありますが正直そんな時間はありません。
いろんなことを気にしすぎてもしょうがないのでまずは指示をきちんとして時間があったら戻って補足的に書いていくのがよいと思います。
⑧解答を見直す時間があればベスト
どんな試験でもそうですが、残り時間が少なくなったら見直すのがいいと思います。
私は重要な案件を丁寧にこなし、最後の放っておいてもよい案件はほんとにほったらかしにしていたのですが、よく問題を読むと、判断を保留する問題は『保留』と回答するようになっていたので、無回答のものが5個もありました。
21問中5問は未回答ってことです。ちょっと見直せば気づけたのですが後悔してもどうにもなりません(笑)。
インバスケット試験を受ける時の心構え
というわけで私がインバスケットアセスメント試験を受けた時の様子や感じたことをご紹介してみたわけですが、試験の形式や評価方法、判断基準等は各企業によって千差万別なようです。
どんな対策をするかは先輩の体験談や市販の参考書など幅広く情報を集めて自己判断でするのがよいと思います。
それから試験の形式がかなり特殊なので何にも知らないで受けたら戸惑ったり焦ってパニックになるのは間違いないなとも思いました。ですからせめてインバスケットアセスメントがどんなものなのか?くらいは知ってから受けるのをおすすめします。
ちなみに僕の場合は慌てたり失敗したりもありましたが、いい評価をもらって無事に課長になる事が出来ました。
広い視点での責任を伴う迅速な回答が要求される問題をやらなければならない上に、初めて経験する試験で、及第点に到達できたのは以下の参考書を読んでいたおかげだと思います。
この本を読んでなかったら、うろたえまくったり、見当違いの回答を連発してダメ人間判定されてたんじゃないかって思ってしまうくらい役に立ってくれたので、これからインバスケット試験にチャレンジする方は是非チェックしておいてください。そうすれば落ち着いて試験に対応することができ、きっといい結果につながると思いますよ♪
インバスケット試験の参考書の効果
- インバスケット試験の概要を把握できた
- インバスケット試験の独特の試験方式に慣れておくことができた
- 試験前の心理的な不安を軽減できた
インバスケット試験にチャレンジしたおかげでちょっと成長できそうな気がします。さっ、明日からパソコンに頼らないで手書きで迅速な判断をするぞ~♪
インバスケット試験の時に一番役に立った参考書はこちら!
ちなみにこの書籍はアマゾンの電子書籍サービス「Kindle Unlimited」なら無料で読むことができます。
今なら初月30日無料なので、勉強期間だけ会員登録して読み終えちゃうってのもありだと思います。
お得に読みたい方は活用していてね。
コメント
コメント一覧 (2件)
立石さんこんばんは〜。
ブログを読んでくださった上に嬉しいお誘いをありがとうございます(^^)
インバスケットのあの緊張感というかドキドキ感が好きなので是非参加してみたいのですが土曜日は仕事が入ってて残念ながら参加できません。
また機会がありましたらよろしくお願いしますね(^-^)/
まあくんさんこんにちは、
初めてコメントさせていただきます。
インバスケット研究所の立石夕貴と申します。
インバスケットの体験記を書いていただきありがとうございます。
弊社では、インバスケットをアセスメントとしてはもちろんのこと、
人材育成のツールとして活用していきたいと考え、活動しております。
今週末9/20(土)にインバスケット問題を使ったグループワーク中心の
勉強会を開催しますので、ご都合よろしければいらっしゃってください。
ご検討よろしくお願いします!
—第5回インバスケットの会—
9月20日(土)14時~17時
場所 エッサム神田ホール 3階会議室
http://kokucheese.com/event/index/204174/
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